当山は、今より約1360余年前、孝徳天皇白雉年間(650-654)に法道仙人の草創せられた古刹である。
はじめは天地山極楽寺と称し、ご本尊は仙人一刀三礼の御作、面貌円満威徳殊勝の聖観世音菩薩である。当時は、
槇が峰一帯に僧坊が軒をつらね、今に「槇が峰千軒坊」と伝えられる仏法繁盛の霊地であった。
ところが寿永三年(1184)源平の兵乱に際し、源氏の大将源義経が、平氏を追って槇が峰にさしかかった時、
千軒坊に平氏の伏兵ありと見て、夜間火を放たしめた。折しも風烈しく、全山一時に焼尽したが、
ご本尊は無事滝の水底に難を逃れられた。その後、近村のある人が、観世音菩薩の霊夢により危うい命を助かり、
夢のおつげに従って、滝の水底より菩薩をさがしあてた。これがまぎれもなく極楽寺のご本尊であったので、
直ちに庵を結んで安座し奉った。
その後、中興開山亀翁松鶴大阿闇梨によって中興され、また、文明五年(1473)玉山良石禅師が来られ、
伝法開山として伽藍を再建し、清滝山弘誓寺と改めた。
こうして干軒の道場も世の有為転変にならって事変をまぬがれなかったが、
ご本尊宇土観世音菩薩のご霊験は時とともにいよいよあらたかであり、
菩薩の威神力を仰ぐ人々はこの地に参詣して今も絶えることがない、まことに霊験顕著の観音霊場である。
最寄駅 | JR宝塚(福知山線)篠山口駅 東2km |
バ ス | 宇土観音下車 南1km |
電 話 | 079-594-0039 |
所在地 | 669-2455 兵庫県丹波篠山市宇土611(無料駐車場有) |
所在地 | 665-0805 兵庫県宝塚市雲雀丘2丁目7-40 |